なぜ締めると味が変わるのか
釣れた魚をそのままバケツやクーラーに入れると、魚は暴れて体力を使い、身に疲れの成分がたまります。体の中に血が残ると、時間がたつにつれて生臭さや身の傷みの原因になります。
- 締める: 魚をすぐに動かなくして、暴れによる身の劣化を防ぐ
- 血抜き: 生臭さのもとになる血を抜く
- 冷やす: 身の温度を下げて、傷みが進むのを遅らせる
この3つを釣った直後にやるだけで、家で食べたときの味がはっきり変わります。
締め方と血抜きの手順

30cm前後以上のスズキ・クロダイ・マダイ・ブリ(イナダ)・ヒラメなどは、次の順で処理するのが基本です。
- ①脳を締める: 目の後ろ斜め上あたりにある脳を、ナイフの先や専用のピックで刺します。うまく締まると、魚が一瞬ビクッとして口が開き、動かなくなります
- ②エラを切る: エラぶたを開け、エラの付け根(背骨に近い部分)をナイフやハサミで切ります
- ③尾の付け根も切る: 尾びれの付け根に切れ目を入れると、血が早く抜けます(省いてもかまいません)
- ④海水で血抜き→冷やす: 海水を入れたバケツに頭を下にして入れ、数分〜10分ほど血を出します。その後すぐクーラーへ
ナイフを使うときは、魚をタオルや魚つかみでしっかり押さえ、刃の先に手を置かないようにしましょう。ヒレのトゲや歯でのケガにも注意してください。
魚の大きさ・種類別の締め方
| 魚の例 | おすすめの締め方 | ポイント |
|---|---|---|
| アジ・イワシ・小サバ | 氷締め | 冷たい海水氷にすぐ入れる。大きいアジはエラを切ると臭みが減る |
| シロギス・ハゼ | 氷締め | 小さく身が柔らかいので、冷やすことを優先 |
| カサゴ・メバル | 氷締め or 血抜き | トゲに注意。20cmを超えるものは血抜きすると刺身がきれい |
| スズキ・クロダイ・マダイ | 脳締め+血抜き | 暴れると身が傷みやすい。釣れたらすぐ処理 |
| ブリ・サワラなどの青物 | 脳締め+血抜き | 体温が高く傷みやすい。血抜き後は特にしっかり冷やす |
| アオリイカ | 目と目の間を締める | 色が白く変われば締まった合図。真水に触れさせない |
氷締めのやり方
クーラーボックスに氷と海水を入れて、冷たい「海水氷」を作っておきます。釣れた小魚をそのまま入れると、急に冷やされて短い時間で動かなくなります。数がたくさん釣れるサビキ釣りなどでは、この方法がいちばん手軽です(サビキ釣りのやり方)。
- 氷が少ないと水温が上がって効果が落ちる。氷は多めに用意する
- 魚が増えたら氷も足して、海水氷が冷たいままか確認する
クーラーボックスでの冷やし方と持ち帰り
- 締めた魚は海水氷にしばらく入れて芯まで冷やし、その後は水を少し抜いて氷の上で保冷すると身が水っぽくなりにくい
- 大きな魚は袋に入れて、直接真水の氷に長く当てない
- クーラーは直射日光の当たらない日かげに置き、ふたの開け閉めを少なくする
- 夏は特に傷みが早い。釣りの時間が長くなる日は、氷を多めに持っていく(8月に釣れる魚)
- クーラーボックスや持ち物の選び方は初心者の道具一式で紹介しています
- 家に着いたらなるべく早くウロコ・内臓・エラを取り、冷蔵庫へ
持ち帰る前の注意
- フグ類は毒があり、素人がさばいて食べるのは危険です。釣れても持ち帰らないようにしましょう
- ゴンズイやアイゴなどヒレに毒のある魚は、締めたあとでもトゲに注意(釣れる危険な魚)
- 小さすぎる魚は海へ返す。地域によって持ち帰りの大きさに決まりがある魚もいます
- 食べきれる分だけ持ち帰る
よくある質問
- アジなどの小魚も血抜きしたほうがいい?
- 小さなアジやイワシ、サバの小型などは、氷と海水を混ぜた冷たい海水(海水氷)にすぐ入れる「氷締め」で十分なことが多いです。数が多い釣りでは1匹ずつ締めるより、早く冷やすことを優先しましょう。20cm以上のアジなら、エラを切って血抜きするとより臭みが少なくなります。
- 魚を真水の氷に直接当ててもいい?
- 真水の氷や溶けた真水に長く触れると、身が水っぽくなったり色が変わったりすることがあります。氷に海水を加えた海水氷で冷やすか、魚を袋に入れて氷に当てるのがおすすめです。
- 神経締めはやったほうがいい?
- 神経締めは、細いワイヤーで背骨の中の神経を壊し、死後硬直を遅らせて鮮度を長く保つ方法です。刺身で数日寝かせたい大型魚には効果的ですが、まずは脳締め・血抜き・冷却の3つを確実にできれば十分おいしく持ち帰れます。
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